●イエローヘッド・ハイウェイでサスカトゥーンへ
州境の町ロイドミンスターを過ぎ、私たちはもうサスカチュワン州に入っていた。
私たちが走っているのは、イエローヘッド・ハイウェイという道路で、本当に人の黄色い頭(横向き)のマークが付いている幹線道路だ。西部4州を横断するハイウェイで、BC州では、メリットをスタートしカムループスを通って北上するルートと、プリンス・ルパートを出発して東に進むルートがあり、途中で合流してジャスパーに着く。さらに東へ延び、エドモントン、ロイドミンスター、サスカトゥーンを通ってウィニペグまで行く長いハイウェイなのだ。
カナダ横断と言えばトランス・カナダ・ハイウェイが有名だが、南側の都市を結んでいるのに対し、イエローヘッド・ハイウェイのほうは、それより北の主要都市を結んでおり、ウィニペグの手前で両者が合流する。
このまま進めばVIAに乗る目的地ウィニペグまで行けるのだが、そうするとサスカチュワン州の州都レジャイナに行けなくなってしまう。時間的にはかなり苦しいのだが、ドライバーのシュテファンの大丈夫の一言で、サスカトゥーンから、イエローヘッド・ハイウェイをはずれて南下し、今日中にレジャイナまで行くことにした。
サスカチュワン州を走り始めて気がつくことは、本当に牧場がなくなり、麦畑ばかりになることだ。ロイドミンスターの紋章の通り。
夜8時近くにサスカトゥーン到着。といっても、まだ太陽は高く、空は明るい。この街については何の情報も持っていなかったので、まず車で街をぐるぐるまわってみた。川沿いのきれいな一画を見つけ、そこに駐車。近くの大きめなホテルに行き、ゲストのような顔をして、コンシェルジェに街の地図をもらった。インフォメーションが見つからないときは、この手に限る。別に嫌な顔もされないし…。
その近くに、立派なお城のようなホテルがあった。CP系(現在はフェアモント系)ホテルかと思ったら、Delta Bessborough というデルタ系のホテルだった。
ホテルはサウス・サスカチュワン川の近くにたっており、川岸はずーっと公園になっている。ジョギングする人、犬の散歩をする人、ベビーカーを押している人‥‥、公園の風景はどこも同じだ。カナダの都市には、必ず一つ、中心となる大きな公園がある。このキワニス・パークも、そんな公園の一つなのだろう。私たちも、住民に交じって、少し散歩をした。
残念ながら、サスカトゥーンでゆっくりしている暇はあまりなかった。なにしろ今日中にレジャイナまで行かなければならないのだ。しかし時間はもう夜の9時近く。到着は何時になるだろう?
最後にサウス・サスカチュワン川の対岸に行き、Delta Bessborough ホテルとキワニス・パークを眺めた。黄昏のなかで淡いピンク色に染まるホテルとビル群、そして静かな水面が、忙しい日程をしばし忘れさせてくれた。