●RCMP(カナダ王室騎馬警察)博物館
ワスカナ・センターを出て、レジャイナでもう一つ見たかった場所、 RCMP(Royal Canadian Mounted Police カナダ王室騎馬警察)博物館に向かう。
博物館といっても、単独の施設ではなく、RCMPの訓練センターの中にある。今朝のイベントに参加していた人たちは、みなこのセンターから来たに違いない。そこに行ったら、また会えるだろうか‥‥。
RCMPの前身は北西騎馬警察(North West Mounted Police)といい、開拓時代の法と秩序を守るため、1873年に発足。現在のレジャイナの地に本部が置かれた。
といっても、その頃このあたりは何もない原野だったはず。RCMPのシンボル・マークの中央に描かれているバッファローが、当時の様子をしのばせてくれる。こんなのがあちこちに群れなしていたんだろうなぁ。博物館の入口中央に掲げてある大きなマークは、センターのバッファローの頭が剥製のように立体的になっていたのが、妙に印象に残っている。
当時、本部の砦が置かれた場所がこの博物館なのだそうだが、現在、本部はオタワに移されている。
博物館の内部は年代別に制服やレプリカ、当時の写真が紹介され、RCMPの歴史をたどれるようになっている。
やはり制服の変遷は興味深い。デザインは変わったものの、発足当初からシンボルカラーはあの赤だった。カナダを代表する「赤」といえば、メープルリーフと国旗とRCMPの制服ということになるのだろう。
私たちは見られなかったが、博物館前では平日毎日12:45pmから演習パレードがあり、見学することができる。冬季や天候不良の時でも建物内で行なわれるそうだ。また1時間ごとにガイド・ツアーも出ているので、参加してみるのもいいかも‥‥。
少し中庭をうろうろしてみたが、今朝会った人たちにはもう会えなかった。
●サスカチュワンで見たカナダ1汚いものとは‥‥?
このあとは、お隣のマニトバ州のウィニペグまで、また長い長いドライブとなる。昨日の反省のもとに、今日はなるべく早くレジャイナを出ることにした。
午前中のCBCの撮影見学で、思わず時間をくってしまったが、あとの行程を切り詰めたため、1時にはトランス・カナダ・ハイウェイの入口付近まで来られた。ランチは車中で食べるため、ここで買い出し。サンドイッチの材料とプラスチックの食器類を買い込み、いざハイウェイへ。
ドライブは快適だった。道はまっすぐだし、平らだし、360度見渡せる周囲の風景はのどかで言うことなし。これが憧れていたカナダの大平原だった。
が、しばらく行くと、ところどころに妙な黒い物体が落ちているのをしばしば見かけるようになる。よーく見ると、それはパンクしたタイヤの残骸だった。スピードが出ている時に突然パンクしたのかと思うと、ゾーッとしてしまった。
さらにしばらく行くと、もう一つのことに気がついた。
前を走る車が、どれもやけに汚いのだ。抜いていく車もそう。みんな泥はねがついたままで走っている。もう何年も洗車なんかしてませーん、って感じ。それらがみなサスカチュワン・ナンバーなのである。
最もひどかったのは、途中から前を走っていた泥色の物体だった。このワゴン車、遠目に見たときは“茶ねずみ色”なのかと思ったが、少し近づいてくると、真ん中よりちょっと上あたりが扇型に黒くなっている。何かの模様かなと思っていたが、近づいてみてようやくその意味が分かり、シュテファンと爆笑してしまった。
この車、全体がくまなく泥で覆われており、ナンバープレートもまったく見えない状態だったのだ。黒い扇状に見えたのは、ワイパーでその泥を拭き去った跡だったのである。こんなにきったない車を見たのは後にも先にもこの時が初めて。まるで泥のシャワーを浴びたみたいだった。
しかし、サスカチュワンの人たちはまったく気にしていない様子。どうせ洗っても、またすぐに雨が降るし‥‥とでも思っているのだろうか?
この時から、泥がついて汚い車を見かけると、私たちは「サスカチュワンから来たのかな?」とジョークをとばすようになってしまった。