バンクーバーでは、通常の市バスのほかにも障害者のためのバス・システムがある。HandyDART（ハンディ・ダート）という名前のミニ・バンがそうだ。

HandyDARTは、Trans Link（バンクーバーのバス会社）と提携している民間の会社によって運営されており、利用者のオーダーによって運行する乗り合いバスである。車椅子の人や歩行障害等がある人のために、自宅から目的地までドア-to-ドアで運んでくれるシステムになっている。

このミニ・バンにはリフトが付いていて、車椅子のまま乗り込めるようになっている。そして車内では、シートベルトで車椅子ごとしっかり固定される。
私がバリアフリーの取材を始めた１年ほど前から、急にHandyDARTの台数が増えた。以前、近所で見かけたものは、車の後ろにリフトが付いているタイプだったが、最近はさまざまな車体のHandyDARTが出てきている。

利用するには、利用日／利用時間の少なくとも48時間前までに予約の電話を入れておくことが必要だ（受け付けは６日前から）。単発はもちろん、定期的な利用の場合も事前の予約が必要となる。
レギュラー運行時間は平日の6：30am〜7：00pmで、週末や夜7：00以降に運行することもある。

バンクーバーの通常のバス料金は、路線全域を３つのゾーンに分け、１ゾーン内C$1.75、２ゾーンにまたがるとC$2.50、３ゾーン間はC$3.50となっている（いずれも大人料金）。ただし平日6：30pm以降と土・日曜および祝祭日は、全区域C$1.75均一となる。
HandyDARTの料金は、１ゾーン内は通常と同じC$1.75だが、２ゾーン間も同じくC$1.75、３ゾーン間C$2.50、４ゾーンにまたがった場合はC$3.50で、距離が長いとおトクになっている。

（実は「車椅子での留学」の取材をしていた頃は、HandyDARTの料金はシニア料金と同じだったので、通常の大人料金よりも安かったのだが、その後、改定になったようだ。）

HandyDARTは、Accessible バスの運行エリアに住んでいない人、家からバス停までが遠い人、また目的地がバス停から離れている場合などに、便利に利用されている。
バンクーバー名物の雨のシーズンにも大活躍だ。