●スタンレーパーク
バンクーバー市のバスのストに伴い、中距離の移動にはウォーキングかサイクリングを余儀なくされている我々市民だが、時にはいいこともある。バスに乗ってしまうと見られない視点から物事を見られ、新しい発見があるからだ。
先週の日曜日、家の近くでレンタサイクルして、スタンレーパークまで出かけた。私の家は、キツラノ地区といって、ダウンタウンとはイングリッシュ・ベイをはさんで、南側の対岸のエリアにある。ここからダウンタウン方面まで行くには、バラード・ブリッジかグランビル・ブリッジを渡らなければならない。私たちは、スタンレーパークに近いバラード・ブリッジを渡り、ターンして海沿いの道路に下りた。その道は、SEAWALL PROMENADEといって、歩行者用と自転車/ローラーブレイド用に分かれており、そのままスタンレーパークにまで通じている。私たちはパーク内に入り、ずっと奥のローズガーデンまで行った。
そこまで、距離にしてはけっこう長いこと乗っていたのだが(時間にして30〜40分)、その間、どこも非常にスムーズに走ってきたことに気が付いた。日本だったら、このくらいの時間乗っていると、必ずどこかにひどい段差があったり、車と接触しそうに危険な場所があったりするのだが、一度もなかった。とりわけ、橋を下りてSEAWALL PROMENADEに入ってからスタンレーパークまでは、なんと快適だったことか。自動車がいないので安全なのと、ずっと段差のないスムーズな道だったからだ。
「これってFull Accessible(完全バリアフリー)ってことか!」と、その時しみじみ思った。こうして毎週リポートしていても、歩いてしまうと気づかないで通り過ぎてしまうことが多々あるものだ。
そう思ってスタンレーパークを見直してみると、ここもちゃーんとバリアフリーになっているのだった。マップを見ると、車椅子マークがたくさん付いている。これらは、SEAWALL(スタンレーパークの外周路)にアクセスできる地点と、車椅子でも使用できるトイレの場所を表わしているのだ。
スタンレーパークは全周10.5km。周囲を、イングリッシュ・ベイと同じような、歩行者用と自転車/ローラーブレイド用に分かれたSEAWALLが囲んでおり、1周するには徒歩で約2時間、自転車で約1時間かかる。景色が刻々変わり、眺めを楽しみながら散策できるコースなので、市民には人気がある。途中、何カ所かショートカットできる道路もあるので、疲れたらそういうルートをとればいい。
このSEAWALLに車椅子でアクセスできる所、つまりバリアフリーになっている場所は5カ所。いずれも駐車場の近くになっている。
また車椅子でも使用できるトイレは10カ所。ほぼパーク中にあるので、探し回る必要はほとんどないだろう。
SEAWALLの広さだが、これも充分。場所によって多少異なるが、車椅子で友達と並んで歩けるくらいの幅は優にある。自転車/ローラーブレイドのルートのみ一方通行なので、来る方向さえ注意していれば、びゅんびゅん飛ばしてくる人がいても危なくはない。それにカナダ人は比較的マナーがよい(留学生は必ずしもそうではないけど)。
1周まわる時間がなければ、ダウンタウンのビル群を眺めながら行くトーテムポール・パークまでのルートか、上記のイングリッシュ・ベイ側のルートがおすすめだ。
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