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バリアフリー都市・バンクーバー
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01/09/04
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01/08/28
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01/02/20
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01/02/13
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01/02/06
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01/01/30
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01/01/23
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01/01/16
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01/01/09
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00/12/12
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00/10/31
●バリアフリー・シティへの道

00/10/24
●Accessible

00/10/17
●きっかけ(続き)

00/10/10
●きっかけ

00/10/03
●バリアフリー・シティとの出会い





●トイレ

カナダに来たばかりの頃、喫茶店などのトイレがすごく大きくて驚いたことがよくあった。日本のビジネスホテルのバスルームくらいの大きさは優にある。いや、それより大きそうなものも結構あった。
「さすがカナダ。ずいぶん贅沢にスペースを使ってるんだなぁ」なんて思っていたが、そうではなかった。これらは車椅子のまま入れる*Accessibleのトイレだったのである。

それまで日本で見てきたAccessibleトイレといえば、ほとんどが、男女マークと車椅子マークが付いているものだった。つまり3つに分かれていたのである。バンクーバーでも、もちろんそういうところもある。
その後、法律で、どんなビルでもレストランでも喫茶店でも、Accessibleでなければならないことが決まったため、小さなカフェでも入口の段差はなくし、テーブルとテーブルの間は車椅子が通れるだけのスペースを開け、トイレは車椅子でも使える構造にしておかなければならなくなった。小さなお店だったら、最初からトイレを広くしておけば誰でも使えるので、逆に合理的。女性トイレのほうがAccessibleになっていることが多いが、ちゃんと両方そのように作られているところもある。

ショッピング・モールなどの公共の場では、この法律ができる前に作られたトイレは、ダブル・ドアになっているものが多かった。ドアをあけると小さいスペースがあり、向こうにもう一つドアがある。その奥がトイレだ。
何のためにこのように作られているのか、最初はよく分からなかったが、おそらく外から直接中が見えないように…、というものだろう。女性は中で化粧直しもするし…。防犯も考えられているかもしれない。

ところが、このダブル・ドアが、車椅子の人にとっては大変なバリアなのだ。2つのドアの間にはさまれてしまうことが多いのだという。はさまれてしまったら、誰かに手伝ってもらわないと抜けられない。近くに誰かいればいいけど、いなかったらずっと待っていなければならないのだ。だから、ダブル・ドア・トイレはこれからは少なくなっていくかもしれない。

最近、このダブル・ドアで自動になっているものも、見かけるようになった。低い位置に付けられたスイッチを押すと、2つのドアが同時に開き、一気に通り道ができるようになっている。気持ちいいくらい、サッとすばやく一気に開く。まるで優秀なドア・マンがいるみたいだ。これほど優秀でなくてもいいから、車椅子の人やお年寄りを見かけたら、重いドアを押さえて待つという最小限の心配りは、いつも心がけていたいものである。

*Accessible=「近付きやすい、行きやすい」という意味