●私が行った語学学校
私はバンクーバーで3校のESLに行った。
1校目は州立大学のESL、2校目は州立カレッジ系、そして3校目が私立のESLだった。別に意図してこのように選んだ訳ではなかったのだが、結果としてそれぞれタイプの異なる3校に行ったことになる。
(各々の特徴は、また後日、触れてみたい)
驚いたことに、私は割と上のレベルのクラスに入れた。特に3校目の私立校では、7レベルの中で最も上のクラスに入ってしまったのである。しかも、クラスメートからは、英語が話せるほうだと思われていた。
こりゃあ、とんでもない誤解だった。
自慢じゃないが、英語の勉強を離れてから既に10年以上はたっている。大学の専攻は国文学だったから、2年生までしか英語をとらなかったし、実はその後も日本で英語学校というものに通ったことがなかった。忙しくて通う時間なんかなかったのだ。
仕事で海外へはよく行っていたが、取材の時はほとんど現地の通訳ガイドさんが付いていた。それに、行ったのは英語圏だけじゃない。イタリア、スペイン、トルコなど他の言語の地域も多かったのである。
さすがに出発直前になって「このまま行くなんて、あまりにも無謀だよねー」という妹の一言で近所の英会話教室に3〜4カ月行ってみたが、自分のボキャブラリーのなさとヒアリングの出来なさを確認しただけに終わってしまった。
そんな私が語学学校で机を並べたのは、現役の大学生だったり、英語の専門学校生だったり、週2回は駅前に通っていた元OLだった。文法力や語彙量の差は歴然だった。しかも中には、これが2度目or3度目の留学という人もいた。
10ン年前、バリバリの受験生の時ならまだ彼らに太刀打ちできたかもしれないが、この10年間に脳ミソから流出したものは大きかった。
ところが私は、彼らと同じクラスにいて、教室内では対等に話し、先生とも平気でしゃべって、“けっこう話せる人”と思われていた。
なぜか・・・