●留学生のメンタルヘルス
移住者のメンタルヘルスは、以前から話題になっていた。普通の移住にしろ、国際結婚での移住にしろ、移住してきてから直面する異文化環境への適応には、本人の想像をはるかに越えるストレスが、知らず知らずのうちに心にかかってきているのだ。
バンクーバーでも、留学生やワーキングホリデー・メーカーが増えるにつけ、表面化してきているのが、彼らのメンタルヘルスである。
表面化と書いたのは、まだ絶対数が少なかった頃は、個人の問題として片付けられ、人知れず帰国することで、解決したとされていたからだ。それが、移住者人口が増加し、こういった症例が増えてくると、もはや個人の問題では済まされなくなってくるのである。
数年前に、バンクーバーで大規模なメンタルヘルスのシンポジウムが行なわれた。BC州や世界各地で邦人の治療やカウンセリングを行なってこられた精神科の医師数名と、領事館の担当者やカウンセラーなど、多くの専門家がパネラーとして登場し、たいへん興味深い内容だった。
その時、会場から発言されたのが、コミュニティーカレッジで留学生のコーディネーターをしている方だった。その人は、まさにご自分の学校の留学生が引きこもり状態になるという問題に直面したばかりだった。
発端は、その学生の友達から、◯◯さんが学校に来ないという連絡を受けたことだった。もう何日にもなり、電話をしても出ないという。心配になって、アパートを訪ねてみると、その学生はちゃんと部屋にいたのだが、外出もせず、電話にも出ないで、誰にも会いたくないという。いわゆる引きこもり状態になっていたのだ。
そのコーディネーターの女性は、もしその友達が気付かなかったら、そして、もし自分が訪ねていかなかったら、とゾッとしたと話していた。
このように、ちゃんと留学生のケアをしてくれるコーディネーターがいる学校ならいいが、いない場合は、誰に頼ったらいいか、また誰が気付いてくれるか、それが大きな問題となる。通常、こういう場合、本人から「ちょっとおかしいのですが…」と申し出てくるケースは、きわめて少ないからである。
たぶん、ほとんどの方が「私は日本で何の問題もなかったし、いろいろ環境が変わっても適応してやってこられた。社会性もあると思うし、海外も初めてではないから大丈夫。それに、今まで精神面で、そのようなシリアスな状況になったことは一度もないから」と思っているのではないかと思う。
ところが、日本でそうでも、海外では、自分が思っている以上に、メンタルストレスがかかっているのである。
かく言う私も、カナダに来て1〜2カ月後、予想もしていなかった精神状態に陥ったのだ。
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★今日は、4日間ある花火の最終日=グランドフィナーレでした。バスのスト解除、しかも運賃無料、久々にピーカンのいいお天気と3拍子そろって、たぶん今までで最高の人出になったんじゃないかな。
うちからキツラノビーチまで歩いて5分なので、私たちは花火が始まる20分くらい前に出ていくのですが、アパートの横の道路は、夕方頃から既にすごい車の列でした。もちろん、みーんなビーチ方面に行く人ばかり。
花火が終わった後、今度は逆方面に、車も人もすごい列。早々とアパートに戻り、窓から下を眺めて、ちょっぴり優越感にひたってしまったさ〜。
★昨日、バスに乗っていたら、突然、ドライバーのスピーチが始まりました。彼はもう30年以上も務めているベテラン・ドライバー。今まで4回ストがあったそうです。
実は、今回は、結局 労使間の交渉は合意に至らず、4カ月を越えたため、政府が介入してスト終了となったのです。後半は、仕事を早く再開したいドライバーたちの切迫した状況(特に経済的に)も伝えられていたので、市民も幾分同情的になっていたのか、このベテラン・ドライバーが「仕事に戻れて、たいへんうれしく思っています」とスピーチを結んだ時、車内からは拍手が沸き起こりました。
バンクーバーのバスは便利だから、やっぱりみんなうれしいんだよね。ダウンタウンも生き生きしている感じだったもの。これで、商売あがったりだったバス通り沿いの商店街も、活気が戻ってくることでしょう。留学生もよかったね。
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