●健康 --- 人より10年長生きしよう
今までずっと料理の話をしてきたが、なにも私が食べることが好きだからではない。それに、ホストファミリーとうまくやるためでも、留学先で経済的な生活をするためでも、ダイエットのためでも、ポットラック・パーティーで人気者になるためでもない。
言ってみれば、これらは全部含まれているのだが、その向こうにある大きな目標は「健康」なのだ。
30代で「2年間、海外に出よう!」と決心した時には、それなりのプロセスを踏んでその決意に達していたし、いろいろな面で準備を整えてから旅立ったので、「遅い」とは思わなかった。
しかし、世にある留学体験記や海外キャリア体験記などは、みんな20代の人の話ばっかり。たまに海外で働く30代女性の記事があっても、もう20代の時に日本を出ていたとか、大学を出てすぐ海を渡ったとか、そんなのばっか。そういう人ばかりじゃないと思うんだけどなあ‥‥
そんなことだけで短絡的に、じゃあ私は遅いのかと思ったわけではないけれど、その先の人生設計を考えたら、やっぱり早いうちにチャンスをつかんでおいた方がいいのかなぁ…なんて考えにおちいりそうになってしまっていた。
そこで、私がよく自分を励ますために言っていた言葉が「人より10年遅かったら、10年長生きしよう!」
スタートが遅くても、その分、終わりを先延ばしにすればいいのである。しかし、ただ単に長生きすればいいってもんじゃない。やはり健康で、元気で、若い頃と同じように活動できてこそ、である。
最近、何かで聞いたのだが、現在のライフスタイルは、20年後の自分に反映されてくるのだそうだ。現在の食生活は、確実に20年後の自分の体をつくっているし、お肌や髪の手入れも、20年後に結果が「違い」となって出てくるのだそう…。
そういえば、日焼け後のシミも、何年かたってから出てくるものだ。20代後半の頃、突然、頬に薄いシミのようなものができ、その年も前年もまったく日焼けをしなかったので、驚いたのだが、5〜6年前の日焼けが原因となることもあると聞いて納得。その頃、沖縄に行っていたのだ。一応、日焼け止めクリームやカーマイン・ローションはつけていたけど、今ほど「美白、美白」と騒がれている時代じゃなかったし、SPFなんてのもまだなかったと思うので、適切なお手入れだったかどうか‥‥。
それを考えると、20年後、あな恐ろしや‥‥である。
だから、今から、食べる物にも食べ方にも、なるべく気をつけてようと思っているのだ。スタートが人より10年遅くて、なおかつ寿命も短かったら、たまらない。
誤解しないでいただきたいのは、私だけ長生きすりゃあ他人はどうでもいいとか、そういうことを言っているのではありません。これはあくまでも自分を励ますための言葉なのです。
幸い“童顔”にも恵まれ、母親ゆずりの健康体にも恵まれたが、何もしなくてもこの貯金で元気にやっていけるのは、30代までだろうと思っている。そこから先は、やはり自分が気をつけないと…。
食べ物は体づくりに直結する。
中国で「医食同源」とか「台所を薬局に」と言われているのは、このためである。
50代や60代、さらにその上の年代での、自分の“こうありたい姿”を想像し、そのためのスタート地点が“今”であることを思うと、食べ物や料理、おろそかにできないのですよ。