●キャリア留学
留学先は何も語学学校だけではない。いわゆる専門学校へ入学して、資格を取るという留学もある。このような留学を総称して「キャリア留学」と呼んでいる。
キャリア留学では、プログラムを終了すると、サティフィケートかディプロマが取得できる。
サティフィケートは、3カ月〜1年の短期あるいはパートタイム・プログラムでもらえる「修了証」で、文字通り「この人はこのコースを修了しました」というもの。早い話が、誰でももらえる。
対して、ディプロマの方は、もうちょっと難しい。8カ月〜2年のパートタイムまたはフルタイム・プログラムで取得できるもので、勉強内容はかなり厳しく、定期的にテストがあり、最後に総合テストまたは資格取得テストがある。それらをパスして、初めて手に入れられる資格なので、サティフィケートとは重みが違う。
専門学校にはいくつかのタイプがある。
まずビジネス系には、ビジネス・スクールとキャリア・カレッジがある。ビジネス・スクールとはビジネスそのもの、つまり経営学や貿易、Eコマースについて学ぶところで、アメリカの大学と提携してMBAが取れるプログラムを組んでいる学校もある。キャリア・カレッジは、秘書、英文簿記、会計、オフィス・コンピューターなど、いわゆるオフィスワークを学ぶ学校だ。
コンピューター・スクールも数多くあるが、コースは大きく分けて2タイプ。ウェブデザイン、DTP、アニメーションなどのアート系と、プログラミングなどの技術系である。日本人留学生にはアート系が人気がある。
観光地バンクーバーでは、旅行業やホテル関係の専門学校も相変わらずの人気だ。これらの専門学校で取得できるディプロマは、旅行業ならカナダ中で通用し、ホテル業なら世界中で通用する資格となる(この“通用する範囲”は、業界や個々のディプロマによって違う)。
そのほかに、料理、バーテンディング、美容・エステ、音楽、映像、写真などの専門学校がある。カナダならではというところでは、アウトドア・スクールやスキー&スノーボードのインストラクター資格取得コースなどがある。
キャリア留学は、ただ語学学校に行くだけでなく、何か資格を取るかプラスαの勉強をしたい人には、最適の留学方法だ。ただ、プログラム開始日が決まっている場合が多いので、事前によく調べ、留学スケジュールをたてる必要がある。
情報入手法だが、まずバンクーバーに住んでいる人は、先週末(4月6日)発行の「Oops!(ウップス)」という日本語のフリーマガジンで、増大ページで学校特集をやっているので、ご覧いただけたらかなり参考になると思う。手前味噌で申し訳ないが、私めが記事の取材・執筆をすべて担当した。ウェブサイトもあるので、バンクーバー以外にお住まいの方はそちらをどうぞ。
URLはここです。 → http://www.oopsweb.com
市販媒体では、アルク出版の『海外で好きなこと』が、専門学校留学のガイドブックである。世界の主要な国をカバーしており、主な専門学校が紹介されている。同じくアルク出版の『カナダ留学事典』にも、キャリア留学のページがある。2002年度版は現在準備中で、7月に発売の予定だ。