●モテる日本人女性
バンクーバーでは、日本人の女の子はかなりモテるのだが、それがどうして離婚率につながるのだろうか。
「モテる」は決していい意味で使われている訳ではないことに、みなさん、なんとなくお気づきだろう。ここにはいわゆる“日本人狙い”の男が多いのだ。
なぜか。
まず、日本人の女の子は相手が白人だとホイホイついて行く。
それに、カナダ人女性に比べてやさしい(あまり自己主張をしない)。
そして、お金を持っている。
以前通っていた英語学校のクラスメートに香港の女の子がいた。彼女がダウンタウンのロブソン・ストリートの交差点で信号を待っていると、カナダ人の男が日本語で「コンニチワ」と話しかけてきた。彼女が英語で「私は日本人じゃない」というと、男は「なーんだ、じゃあ用はない」とか言って去っていったのだそうだ。失礼だと怒りながら話す彼女、恥ずかしく思う私…。
これは、つまり、いかに日本人の女の子だけを狙っている奴がいるか、そしていかに日本人が引っかかりやすいかを物語っているのである。
私もバス停やビーチで話しかけられたことがあるし、友人の誰に聞いても、みんなそういう経験をもっている。別に物欲しそうな顔をして歩いている訳ではなく、普通に歩いていてさえこうなのである。
では、女性の側はどうなのか。
日本人の女の子が白人男性に弱いことは、今さら言うまでもないほど有名な話である。「イエローキャブ」なんて言葉が使われるようになったのは、もう10年以上も前のことだ(意味を知らない方のために:「誰でも乗せる」タクシーと日本人のイエローをひっかけているのである)。
“白人男性に弱い”にも、大きく2タイプいるようだ。
タイプ1は、典型的な上記のタイプ。
とにかくカナダ人男性と遊びたいと思っているコたちである。ここにいる間に適当に遊んで、割り切って後くされなく帰っていくので、男にとってはまさに好都合の相手なのだ。だから、日本人だけを狙う男が後を絶たないのである。
タイプ2は、真面目でむしろ地味な感じすらするタイプ。
まず前提として、ここに英語を学びに来ている人は、英語の勉強のために、みーんなカナダ人の友達(ボーイフレンドとは限らないが)を欲しがっている。クラスではネイティブ・イングリッシュ・スピーカーは先生だけだし、ホームステイをしていても、バンクーバーでは中国系やインド系のホストファミリーもいるので、独特のアクセントがある英語だったりするからだ。だから、みんな潜在的に“カナダ人とお友達になりたい”願望があるのである。
こういう地味なタイプは、バンクーバーで初めて「男性からチヤホヤされる」という経験をする人が少なくない。実際「カナダに来て生まれて初めてモテました!」と話してくれた人もいるのだ。それで勘違いしてしまうのである。
このタイプは、真面目ゆえに遊ぶことができない。だから結婚にまで話が進むケースが多い。年齢的にも若いので、それまで男性と付き合った経験がない人もいるし、良からぬ男への免疫がない。だから騙されやすいのである。この人自身も“人がいい”ので、相手をすぐ信じてしまう傾向があるのだ。
そして結婚に対しては、日本的な感覚で臨んでしまう人も多い。
すなわち、(今、何か不安があっても)結婚すれば何とかなるだろう、(今、失業していても)結婚したらちゃんと働いてくれるだろう、子供が生まれたら落ち着いてくれるだろう、などなど‥‥。
しかし、カナダ人の結婚・離婚に対する考え方は、日本人よりずっとeasyだから、子供が2〜3人いての離婚は当り前。子供が生まれたら落ち着いてくれるだろうという考えは通用しないのである。
日本人は、相手に対してのこのような期待を口にしないのが常だから、相手のカナダ人には、当然その気持ちが伝わるはずもない。
カナダ人男性にとっては、日本の女の子(特にこのタイプ)は従順だし、英語がまだよくしゃべれない分、いつも自分が主導権を握れる。それに日本の親は、娘が結婚するとなるといろいろお金を用立ててくれ、中にはコンドミニアム(日本で言うマンション)まで買ってくれる親もいるのだ。男性にとっては、こんなにおいしいことばかりの結婚はない。愛情なんかそれほどなくても、こ
の恩恵に預からない手はないのである。
こういう夫たちは「彼女、日本でだったら、もっとちゃんとした人と結婚できるでしょうに…」と思わせるタイプがほとんどだ。こういったカップルで、妻に“気づく時”が訪れると、離婚に至るのである。
さて、不幸な例ばかり紹介してきたが、もちろん幸せに暮らしているカップルもたくさんいる。次号からは、そんな例も取り上げていこうと思っている。