●国際結婚ワークショップ
国の政策として「多様文化主義」をかかげているカナダ。移民を受け入れているカナダでは、さまざまな文化的背景をもつ人々が隣合って暮らしており、その社会は「人種のモザイク」と呼ばれている。モザイクの一つ一つは異なる色と形をしているが、それらが集まって大きな絵になることを意味しているのだ。
カナダは居ながらにしてさまざまな異文化体験ができる国だ。日本人がカナダに住むこと自体が既に異文化体験だが、その中でさらに多くの異文化との遭遇がある。
例えば、自分の周囲の人の出身国をざっと数えただけでも、すぐに10指では足りなくなってしまう。日本でも在日外国人が増えていると思うが、身のまわりにこれだけの異文化バックグラウンドを持つ人がいるという環境は、なかなかないだろう。
国籍が違う者同士の結婚を国際結婚と言うならば、カナダ国籍を取得した移民の人とカナダ人との結婚は、厳密には国際結婚とは呼べない。だからカナダでは「異文化間結婚」というほうが一般的だ。「国際結婚」も「異文化間結婚」も、抱える問題は同じ---それは異文化への適応と相互理解である。
結婚生活の中で、異文化に適応していく時に起こるさまざまなストレスや問題を解消し、円満な家庭の維持を願ってスタートしたのが、この国際結婚ワークショップである。異文化問題が専門の精神科医師の野田文隆先生のご協力をいただいて、1997年4月より、ほぼ隔月にワークショップを開いている。
下は、今までのワークショップのテーマ一覧である。重いものあり、楽しそうなものありだが、参加者たちはみな真剣に聞き入っている。カップルでの参加も多いことから、ここに来られる人たちは、カナダ人のご主人の理解もあり、幸せな結婚生活をおくっていることが伺える。
来週は、今までのワークショップの記録から興味深い話題を取り上げてみたいと思う。
******国際結婚ワークショップのテーマ一覧******
第1回 「国際結婚とつきあう方法--喜びと落し穴」
(1997/4/2)
第2回 「インターマリッジとコミュニケーション」
(1997/6/10)
第3回 「将来への期待--国際結婚の子供達」(1997/9/9)
第4回 「討論会:国際結婚成功の秘訣」(1997/11/12)
第5回 「国際結婚の体験と教訓」(1998/1/13)
第6回 「討論会:国際結婚の理想と現実」(1998/3/17)
第7回 「講演と懇談:結婚の具合はいかが?--問題と解決」
(1998/4/28)
第8回 「パネル討論:カナダの中の日本人・日本の中のカナダ
人」(1998/7/7)
第9回 「パネル討論:国際結婚経験者は語る」(1998/9/28)
第10回 「討論会:家庭内で子供に日本語を話させる vs 英語で
育てればよい」(1998/11/3)
第11回 「討論会:カップルは友達を共有すべき vs それぞれ
個人の文化・言語に合う社交サークルを別々に持って
行動すべき」(1999/1/19)
第12回 「カップルで一緒に取り組む英語上達法」(1999/3/9)
第13回 「総会/ポットラック・パーティー」(1999/5/2)
第14回 「パートナーの家族とのお付き合い」(1999/7/27)
第15回 「子育てについて」(1999/10/5)
第16回 「カップルで取り組む目標とは?」(1999/11/30)
第17回 「多文化社会の多様な結婚」(2000/1/25)
第18回 「楽しく語ろう国際結婚(ポットラック・パーティー)」
(2000/4/4)
第19回 「差別と偏見について」(2000/6/6)
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