●偏見?
国際結婚に対する両極端なイメージを紹介した後で、こんなタイトルにすると、私はまるで被害妄想狂みたいですが・・・
決してそうではない(と思う)のだが、いろいろなイメージをもっている人は確かにいて、それは当事者にしか向けられないので、他の人にとっては「えっ、そんなふうに思っている人、いるの?」というふうに、多少の驚きをもって迎えられるのだと思う。
今回のエピソードは、私自身が非常に驚いた例だ。
それは、とある50代の日本人女性の言葉だった。その人は、こちらに移住してもう30年になり、ご主人も日本人。明るく楽しい人で、常識もあり、思いやりもある方だった。
まだ私が結婚前のこと。ある日、電話で話している時に、その方がふとこんなことを言った。
「カナダはいろんな国からの移民がいて、移民同士で結婚するから、違う民族の血が混じって、変わった病気の子が生まれる確率が高いのよね」
私は「えっ?」と思った。我が耳を疑った。常識あるその人が、そんなことを言うとは思えなかったからだ。
そのような話は聞いたことがなかった。医学的にデータが出ているとも思えなかった(もし出ていたら「ごめんなさい」だが)。
むしろ、近親結婚が禁止されているわけだから、血は近くないほうがいいと思うほうが一般的だ。
ある民族で顕著に見られる病気があり(風土や食習慣などによる)、その体質が子供に受け継がれるということはあるかもしれないが、単に異民族同士が結婚したからといって、そのような結果を生むとは思えなかった。それに彼女の口調は、そういった風土病などを指していたのではなかった。
たしかに、こちらのローカル・ニュース番組を見ていると、難病で手術を受けた子供がいる若い夫婦とか、生まれつきの病気や障害をもつ赤ちゃんの両親などが、よく登場している。
しかしそれは、そういうことを公表して、家族で前向きに治療に取り組む姿を見せることをよしとする北米の文化と、どちらかというと世間には隠してしまう日本の文化との違いから来るものだと思うのだ。
今は日本も変わってきていると思うが、その女性が日本にいた頃は、ひた隠しにされていることのほうが多かったのではないかと思う。ましてやニュースやドキュメンタリー番組で、そういう家族が取り上げられることなんて、めったになかっただろう。目にする機会がなかったから、「日本では少ない」と思っていたのではないだろうか。
私は少しばかりショックだった。たぶんその人は、自分が国際結婚カップルを少し偏見の目で見ているなどとは、微塵も思っていなかっただろうけど…。
結婚の報告をする時、このことが頭をかすめ、ちょっと困った。
そして、彼女の最初のリアクションにも、少々驚かされた。それはまた後日‥‥
★‥‥‥‥‥‥‥‥‥★バンクーバーだより★‥‥‥‥‥‥‥‥‥★
☆ああ、また異常な事件が起こってしまいましたね。
今日、夜8時に帰宅して、日本の正午のニュースをライブで見たら、大阪教育大附属池田小学校の事件のことを報道していました。それからずーっとニュースを見ていますが、児童8人が死亡…。あまりにも痛ましくて、もう言葉になりません・・・
☆カナダでもひどい事件が起こっています。カルガリーで、日本人の23歳の母親が、赤ちゃんをアパートの部屋に置き去りにして、死なせてしまったというのです。さらに余罪もあるらしく、今捜査中の模様。なぜか夫の姿は見えてこなくて、国際結婚だったのかどうかも分かりません。詳細が分かったら、またご報告します。彼女は、4年前に学生ビザでカナダに来たのだそうです。
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