●結婚を決めるまで(1)--- 時間をかけよう
国際結婚でうまくいっているカップルの話を聞くと、結婚を決めるまでに時間をかけている人たちが多い。だいたい2〜3年、長い人で4〜5年だろうか。
ただ長いだけでなく、その間にいろいろ考えたという。たとえば、この国にずっと住んで生活していけるだろうか(適応力の面で)、自分の英語力で彼と充分なコミュニケーションをはかれるだろうか、経済的な面では充分やっていけるのだろうか、彼は家族のためにきちんと働いてくれる人だろうか‥‥。
つきあっているうちに、たぶん英語力は分かると思う。そして、自分に見る目があれば、2〜3年のうちには、相手がちゃんと社会生活をおくれる人か、結婚したら夫や父親としての責任を果たしてくれる人か、分かってくるはずた。さらに相手が誠実な人であれば、結婚という具体的な話が出た時に、自分の経済力や将来的な生活設計の話を具体的にするだろう(この“具体的に”がポイント)。残るは自分の適応力、ということになる。
つまり、結婚を決めるまでに時間をかけ、その期間にそれらの心配事を既にクリアできている人(あるいはカップル)ほど、失敗が少ないのである。
1年未満で、もっと短い例では2〜3カ月で、パーッと燃え上がって、勢いで結婚した人たちは、結婚してからこれらの問題に突き当たることになる。英語がまだよく話せない日本人の奥さんが結構いるのは、このためなのだ。「英語が話せなくて、どうやって夫婦が会話しているの?」とは誰もが抱く当然の疑問なのだが、そこは言葉以外のコミュニケーション法でなんとかやっているらしい。でも、それも1年くらいが限度だろう。
あるいは、結局最後は完全に理解しあうことをあきらめ、うやむやに終わらせていることの繰り返しなのかもしれない。その小さな溝が、やがては修復し難い大きな亀裂になってしまうこともある。
こんなふうに、カップル間で最も身近な言葉に関しても、真剣に考えず勢いでいってしまおうとする人には、相手の性格や社会性を見抜くのは、まず無理だろうと言わざるを得ない。
まあ人を見る目を養うというのは、一朝一夕にはできないことだから、若い人には難しいかもしれないが、それでも時間をかければ、相手の人間性や性格は、少しずつ見えてくるものである。
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