●結婚を決めるまで(3)--- 小さなギモンは解消しよう
国際結婚に限ったことではないのかもしれないけれど、結婚までに決して残してはいけないのが「小さなギモン」。日常生活で一緒にいる時に、心でかすかに「アレ?」と思う程度の小さなことだが、そのままにしておくと、後でとんでもないことになるかもしれない。
特に、相手がどうしてそういう行動をとったのか、ギモンに思う時は、絶対にその場で(後からでもいいけど)理由を聞いて、ギモンは解消しておいたほうがいい。遠慮は禁物だ。
そもそも遠慮や謙虚が「美徳」とされるのは、日本文化の中だけである。私は、そういう日本の文化や日本人の考え方が大好きだが、ここではやはり切り替えないと、自分の中にストレスが溜まるだけだ。そのうえ大事なことは相手にまったく伝わっていないという、最悪の状況になってしまう。
それから「こんなことを聞いたら、嫌われるかも」という考えも禁物。何度も書いているが、カナダは「思っていることは、言葉で伝える」という文化なのだ。裏返せば「言葉で伝えられていないこと(思い)は、存在しない」のと同じなのである。
だから、小さなギモンはどんどん問いただしていっても、相手は別に気分を害したりはしない。彼は、そういう文化の中で育ち、そうすることが当り前なのだから。
これが日本人のご主人だったら、奥さんに毎度毎度「どうしてこういう行動をとったの?」と聞かれたら、「いいかげんにしろー。夫のことがそんなに分からないのかー!?」と言われるのがオチだが、国際結婚はその逆で、毎度毎度、聞いていくべきものなのだ(と、そのくらいに考えておいたほうがよい)。
ギモンを問いただすことで、もう一ついいことは、彼も自分の行動を振り返り、なぜそうしたかを考え、同時に、日本人は普通そうしないということを分かってもらえることだ。だから、理由を聞いた後に、なぜ自分がギモンに思ったかということも、彼に話してあげるとベストだと思う。
「小さなギモン」が「大きな亀裂」にならないように、結婚前から2人の間でこういう行動グセをつけておくといいのではないだろうか。